会社は星の数ほどありますが、転職面接での質問はどの企業でもだいたい同じ内容で、決まっています。
なぜなら、中途採用での選考目的は以下2点に絞られるからです。
・自社に定着してくれそうか
・自社でも活躍してくれそうか
この記事では、転職の面接時に必ずおさえておきたい基本の5つの質問と回答例、答える際のポイントを紹介します。
面接で聞かれることや好印象を与える答え方を前もって把握しておき、十分に対策しておけば自信を持って本番に臨めます。
これから面接に臨む方はぜひ参考にしてください。
質問1【自己紹介】
面接官の意図
面接官が自己紹介を求める意図は、主に次の3点です。
・応募者が話しやすいキッカケづくり
・簡潔に分かりやすく話せるスキルがあるかを把握したい
・基本的なコミュニケーション能力があるか知りたい
たかが自己紹介と思われるかもしれませんが、面接での第一印象がここで決まってしまうので油断は禁物です。
自己紹介のポイントは、自分のことを全く知らない初対面の相手に対して、自分の経歴を分かりやすく簡潔に伝えられるかどうかです。
自己紹介を通じて面接官は経歴の全体像を理解しようとします。また、自己紹介を通じて基礎的なコミュニケーション能力
(簡潔に分かりやすく説明する力)も判断します。
★質問例
Q. 自己紹介をしてください。
Q. 経歴や実績を交えて自己紹介をお願いします。
★回答例
A.
本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
私は、福井ケンシロウと申します。
私は2004年に○○大学△△学部◇◇学科を卒業しました。
これまで2つの会社で就業経験があります。
まず1社目は、株式会社Aの人事部に配属され、新卒採用を担当しました。
主に会社説明や応募書類の管理に従事しておりました。
そして2社目となる現職では、B株式会社の電子技術部において、
ハイブリッド車のエンジンルームに搭載される電子制御部品の設計をしております。
そこでは主に、企画から量産化までの一連の流れの中で開発を行ってきました。
お客様から要求される性能と仕入先工場の製造能力の両方を考慮しながら、設計をしてまいりました。
以上となります。
★★答える際のポイント
・長くても2分ほどでまとめる
緊張しているとついつい長々と話してしまいがちですが、簡単な自己紹介を数分で伝えられるように練習しておきましょう。
そこで、伝えたい内容を箇条書きにして文字に起こすと良いです。
それを実際に読み上げて所要時間を確認しておくのもオススメです。
・今までの経験やスキルを端的に伝える
応募した仕事で活かせそうなスキルや経験、実績についても端的に触れましょう。
ここで面接官の興味を惹きつけておくと、後から詳しい話に発展させやすくなります。
・ひとこと付け加える
どこまでが自己紹介なのか区切りをつけると良いです。
「以上となります。本日はよろしくお願いします」と締めれば好印象です。
質問2【転職理由について】
面接官の意図
面接官が転職理由を聞く理由は主に、「定着性」を見たいからです。
この転職理由が、実は企業が最も気にする項目だと言われています。
なぜなら、「同じ理由でまた辞めてしまう可能性はないか」「自社との相性は良いか」を心配するからです。
せっかく採用したのに、前職と同じ理由ですぐに辞められてしまっては、
人員計画の見直しが必要となり企業にとって痛手となるからです。
質問例
Q. 転職しようと思った理由を教えてもらえますか?
Q. どうして前の会社を辞めようと思ったのですか?
Q. 今回の転職を検討するに至ったいきさつを教えてください。
回答例①
A.
理由は2点あります。
まず1点目は、自社製品の開発業務に携われないからです。
現職は大手自動車メーカーの子会社という位置づけのため、自社ブランドでの開発をすることができません。
いくら一生懸命に高性能の製品を開発しても、親会社の手柄として世に出されることにもどかしさを感じていました。
そして2点目は、製造現場に近い環境で仕事をしたいと考えているからです。
設計者はユーザー目線に立つだけでなく、それが製造できるかどうかについても思いを巡らさないといけません。
しかし、親会社から開発委託をされている現職では、現場から離れているため、製造のことが分かる設計者になりにくいのが実情です。
以上の理由から、転職を決意することにしました。
回答例②
A.
現在の会社では、事務職に従事していますが、決められた範囲以上の仕事は求められない環境です。
自分の将来を考えたときに、今よりも裁量を持ってスキルアップできる環境を求め、転職を検討するようになりました。
★答える際のポイント
・前向きな表現で伝える
転職に際して前職に何かしらの不満があることは面接官も理解しています。
だからと言って、それをそのままストレートに表現するのはやめましょう。
たとえば、仕事の内容がつまらなかったという理由で転職を考えたとしても、
それをそのまま伝えると「つまらないことがあると、また同じ理由で辞めるのでは?」と
ネガティブな印象を与えてしまいます。
ついつい会社のグチだけにならないよう気をつけましょう。
・転職理由と志望動機をつなげる
転職理由を話すときは、志望動機と結び付けることで、転職先でのキャリアまで考えての転職活動であることを印象付けましょう。
決して行き当たりばったりではなく将来を深く考えてこその転職であることが明らかとなり、面接官からの好感度がアップします。
質問3【志望動機について】
面接官の意図
面接官が志望動機を聞く理由は主に、
「自社で長く働いてくれそうか」
「自社の企業研究は十分にできているか」
を確認するためです。
どこでも良いわけではなく、本気でウチの会社で働きたいと思っている人を採用したいと企業は考えています。
その熱意や想いを伝えることで、面接官はこの人を採用したいと前向きな気持ちになります。
企業によっては、経験やスキル以上に志望意欲を選考上重視するケースもあるくらいです。
そのため、我々応募者は、応募先企業に対して、本気度や長く働ける人材であることをアピールする必要があります。
「なぜ他社ではなく、ウチの会社を選んだのか」という明確な動機や意思を伝えることで、
面接官は「この人は本気でウチの会社で働きたいんだな」と考えるようになるのです。
質問例
Q. 弊社への志望動機を教えてください。
Q. なぜウチの会社を受けようと思ったのですか?
回答例
A.
私は、自社製品を製造現場に近い環境で開発したいという思いがあり、御社ならそれが実現できるからです。
また、その製品の企画から量産まで一貫して関わりながら開発できる点にも魅力を感じます。
現職では、製造サイドからの要望を吸い上げ、製品に求められる性能との両立を目指しながら設計してきました。
この経験を御社でも活かせると考えています。
★答える際のポイント
応募先の会社であるべき理由を答える。
そのために以下3つのポイントに分けた構成にしましょう。
①転職の軸を明らかにする
「転職の軸」とは、自分が転職活動で最も実現させたいことです。
これをハッキリさせることで、転職理由や志望動機に一貫性が出てきます。
②志望企業のどこに魅力を感じたのか
「競合他社ではなく、なぜ応募先の企業に入社したいのか」はその企業の魅力を見つけることで語りやすくなります。
企業の公式HPや求人情報はもちろん、会社四季報や口コミサイトなどを通して、会社の現状や業界内でのポジション、
将来性、採用したい人物像をよく研究しましょう。
転職エージェントに登録している人なら、専任のキャリアアドバイザーに問い合わせると、
応募先企業の社風や職場風土まで詳しく教えてもらえる場合もあります。
③転職の軸と志望企業を重ねる
企業研究を十分に行ったら、自分が今回の転職で最も実現させたいこと=「転職の軸」と、応募先企業を重ね合わせましょう。
今回の転職活動を機にもう一度キャリアプランを立て直し、応募先の企業がその軸を実現させるためのステップとなるか吟味しながら志望動機を作成すると、
説得力のある動機が出来上がります。
質問4【自己PR(活かせる経験・実績・スキルについて)】
面接官の意図
面接官が自己PRを聞く理由は主に、
「ウチの会社で活躍できる人材か」をイメージするためです。
そのために、ウチの会社で活躍してもらえそうかどうかを見極める質問をするのです。
応募者にとっては、ここが自分を売り込むプレゼンの山場となります。
質問例
Q. 自己PRがあればお願いします。
Q. 仕事をする上でのあなたの強みを教えてください。
Q. 今までのキャリアで印象に残っているエピソードを教えてください。
回答例
A.
課題発見力と調整力が私の強みだと考えています。
前者については、試作から量産までの一連の流れを経験して身につけてきました。
私はかつて試作段階で不具合を起こしてしまった苦い経験があります。
その原因は、私が周囲に意見を求めず、独断で設計を進めたからでした。
その経験をふまえ、それからは試作のたびに知見を持った人や関連部署のメンバーに対して設計思想をレビューするようにしたのです。
それによって、自分では気づかなかった課題をご指摘頂くことができました。
こうしたおかげで、製品設計で注意すべきポイントや想定される不具合についての知識を吸収することができ、対策を講じた設計ができるようになったのです。
後者については、メーカーや工場など現場サイドとの折衝の中で身につけました。
先方の要望をうのみにするだけでなく、こちらの設計思想を実現するために妥協して頂かないといけない場面もありました。
その際には、相手方がどんな目的で要望しているのか着実にヒアリングをし、こちら側の想いを実現してもらうために、両者が納得できるような落としどころを探る姿勢を根気強く貫いてきました。
御社においても、これらの強みを活かして業務に励んでいきたいと考えております。
★答える際のポイント
・志望企業や希望職種に合う実績、スキルを選んで答える
面接官が知りたいのは、入社後に活躍が見込めるかです。
そこで、志望企業が求める人物像に合わせて自己PRをしましょう。
求人票にはその企業が求める人物像や経験、スキルが記載されています。
それらを念頭に、応募職種で役立つスキルや能力があなたにはあることをアピールすれば良いのです。
志望動機を考える際に行ってきた企業研究は、この自己PRの場合でも役立ちます。
・自分の強みがどう活かせるかを伝える
冒頭で自分の強みが何であるか結論を述べたあと、志望企業のどんな仕事でその強みが活かせるかを述べると良いでしょう。
その根拠を具体例を交えて話すと論理的な説明となり、論理的思考力やプレゼン能力の高さも同時に伝えることができます。
・実績は具体的な数値で語る
ただ単に「頑張りました」「〇〇が得意です」と述べるのは、抽象的でイイ加減な印象を与えてしまいます。
自分の働きによってどんな成果が上がったのかを定量的に示すことで、面接官は具体的にイメージしやすくなります。
売上げや成約件数などの分かりやすい実績が自分にはない、と悩む方は多いかもしれません。
しかし、たとえば「〇時間かかっていた作業が△時間に削減できた」「月に◇件ほど発生していたミスがゼロになった」なども立派な実績に含まれます。
さらにその実績を簡単なエピソードを織り交ぜながら話すと、実際の場面を面接官はイメージしやすくなります。
質問5【逆質問(面接官への質問)】
面接官が逆質問をする目的は主に、
「自社への興味・関心が高いのかを確認するため」
「自社への理解を深めてもらうため」
です。入社する意思が強く、ここで働くイメージが本人の中にあるかをチェックしようとしています。
質問例
Q. 弊社について何か質問はありますか?
Q. 最後に質問があればどうぞ。
回答例
A. 入社後に担当する仕事は、どのような案件になると考えられますか?
A. 一緒に働くメンバーはどのようなキャリア、年齢層の人が多いのでしょうか?
A. 今後、注力していく領域について差し支えなければ教えてください。
★答える際のポイント
必ず何か質問する
逆質問の内容が面接結果を左右するといっても過言ではありません。必ず何か質問するようにしてください。
面接官は質問の有無や内容によって「自社に本当に興味を持っているのか」「自社への入社意欲は高いのか」を最後にチェックしています。
・待遇や福利厚生についてばかり質問しない
仕事内容や企業のことは質問せず、待遇や勤務条件に関する内容にばかり言及するのは避けましょう。
仕事のことよりも、条件面を重視する人だと誤解されてしまう可能性があります。
条件面については、転職エージェントを通して確認することもできますので、ぜひご相談ください。
■転職時の面接でほかによく聞かれる質問
面接でよく聞かれる質問には、基本的な5つ以外に
「今後のキャリアプランについて」
「雇用条件について」
「会社の経営方針や事業について」
などがあります。事前に準備しておくと焦らず答えられます。
慌てないで済むように自身の転職活動のプランや目標を明確にしておくと心強いです。
・今後のキャリアプランについて
真剣に自分の将来を考え、明確な目標を持ち計画を立ててスキルアップに励める人とそうでない人とでは、
成長のスピードや度合いが大きく変わります。
現時点での即戦力性だけでなく、将来の成長が期待できる人材なのかどうか、
自社の成長に貢献してくれそうな人材なのかどうかといった長期的な視点での採用のメリットを見極めるための質問となります。
そして、入社後のミスマッチを防ぐために、応募者がキャリアビジョンや目標と、自社の仕事を結び付けて考えているかを確認するのです。
志望動機と食い違ったことを言わないようにキャリアプランは入念に整理しておきましょう。
質問例
あなたのキャリアプランについて教えてください。
回答例
まずは、個人で目標達成できるように、業界や製品の知見を学び精進していきたいです。
ゆくゆくは、配属先での中心的存在となり、個人だけでなく部署全体・事業全体での成果を効率的に上げていけるようマネジメントにも挑戦していきたいです。
・雇用条件について
面接官が雇用条件について聞く理由は主に、「勤務条件の確認」ですが、「入社に対する本気度」も測られてしまうことがあるので注意が必要です。
たとえば、転勤の可能性がある会社に応募しているのに、「転勤はNG」と答えてしまうと志望度が低いと判断されかねません。
質問例
残業は何時間くらいまでできますか?
回答例
現在の会社でも月50時間程度残業しており、時期によって業務量に差があるのは想定しています。
ただ、あまり残業が多いと翌日の業務に影響が出るので、普段から効率的に作業できるよう手順を工夫していきたいと考えております。
年収・勤務地・残業などの条件に関する質問への答え方と例文
・会社の経営方針や事業について
面接官が会社の経営方針や事業について聞く理由は主に、「ウチの会社のことをよく理解しているか」「考え方との相性は良いか」を確認するためです。
会社としては理念や方針に賛同している人のほうがスムーズに業務を進められると考えるからです。
質問例
弊社の理念やビジョンをどう思われますか?
回答例
私は御社の「世の人々を幸せに」という理念に賛同します。
幸福度は人生の豊かさに深く影響していると思います。お客様が求めている商品を提供するという姿勢が、
商品やカスタマーサービスのきめ細やかさに表れていてとても魅力的だと感じました。
私もお客様に寄り添えるビジネスパーソンを目指し、精進していきたいと思います。
質問例
ほかに受けている企業はありますか?
回答例
ほかにも受けている企業はあります。ただし、あくまでも御社を第一志望としております。
御社からの内定が出た際は最優先させて頂きたいと考えています。
転職時の面接で聞かれる定番の質問5つについて解説しました。
質問の仕方にはバリエーションがありますが、基本的に聞かれる内容は決まってます。
しっかりポイントをおさえて本番に臨みましょう。
転職エージェントは心強い味方になってくれます。
自己分析に役立つカウンセリングを受けたり、企業目線も持っているキャリアアドバイザーと面接の対策をしたりして、
万全の準備をしていきましょう。
